人生の曲がり角

新宿生まれ新宿育ち、ノリで沖縄移住。フリーライター。

日本の少年院に足りないものはなに?

皆さんは少年院について、どこまで知っているでしょうか。

刑務所という場所が世界各地で異なることを知ってから、日本の少年院・刑務所についてとても調べていたときがありました。

その中でも特に少年院に対して疑問に思うことがあり、今回はブログを書いています。

日本には4種類の少年院があります。
それすら知らない方も多いのではないでしょうか。

日本の少年院は初等・中等・医療・特別と4種類に分けられています。
少年院送致が決定した後、どこへ送られるかが決まります。

・初等
初めて罪を犯したもの、犯罪の中でも比較的軽犯罪のもの
・中等
複数回罪を犯しているもの、少年鑑別所で取り分け問題があると判断されたもの、初犯であっても複数年、少年院入院が決まっているもの
・医療
身体的・精神的疾患があるもの
・特別
以上のどれにも当てはまらず、特別措置が必要とされるもの

となっています。
刑務所も同じように種類があり、同じ判決でも同じ場所へ収監されるわけではありません。
また1つの犯罪を複数犯で行った場合は、全員が別の場所へ送致されます。

少年院の中でも「普通」に更生教育をしているのは、初等と中等だけです。
医療は少年院の中でも比較的ゆとりがあるスケジュールで、個々の病状を最優先に更生教育が組まれます。
特別には個々だけの更生教育があり、集団でのスケジュールが組まれることはありません。

少年院の中で「普通」と呼ばれる初等・中等は、基本的に集団で生活をします。
寝起きも食事も全員で行い、担任の教官も複数人に対して1人の教官が付きます
ベッドシーツのシワや私語に対して刑務所と同等の厳しさを持ち、教官に相談事をしたり個別の面談は年に1度あるかないか程度です。

医療は身体的・精神的疾患を持ったものが送致されるので、施設そのものが病院と同じになっています。
教官1名に対して最大で3人(例外あり)、相談事や個別の面談もほぼ毎日のペースで行われます。
身体的疾患よりも精神的疾患の方が圧倒的に多いため、スケジュールは初等・中等に比べてゆとりがあり、イベントなどもほぼ毎月行われます。

この少年院の中で1番興味を持ったのが、医療少年院でした。
少年院と医療が私の中でイコールにならなかったこと、疾患はどの程度なのか、疾患のある状態で行う更生教育とは一体どんなものなのか。

そして医療少年院について調べているうちに、日本の行なっている「更生」に足りないものを見つけました。

さて、それはなんでしょうか?

 
医療少年院は日本に2箇所あります。
東京都にある関東医療少年院と、京都府にある京都医療少年院です。
どちらに送致されるかは、逮捕された少年の現住所と少年院側の事情が考慮されて決まります

基本的に医療少年院送致が下される理由は、鑑別所での判断と事件時の精神状態が大きく影響します。
また逮捕時に妊娠している少女は、出産までの期間を医療少年院で過ごします。

そして医療少年院には、主に精神疾患を抱えた少年・少女が送致されます。
疾患程度はそれぞれですが、精神病院から死ぬまで出られないような子もザラにいます。

 
初等・中等少年院は男子のみ・女子のみと完全に分かれているのですが、医療少年院だけは男女一緒に暮らしています。
といっても建物は異なり、お互いの建物から姿は見えないような構造になっています。

ただ朝礼や集会・イベントなどは男女合同で行います。
この点も初等・中等少年院とは大きく異なる部分です。

初等・中等少年院では朝礼、更生プログラム等のスケジュールを休むことは基本的に認められていません。
著しく体調が悪いとき以外は、全てのスケジュールをこなすのが当たり前です。

医療少年院では頭が痛い・起き上がれない・今日は気分が良くない等の理由で、スケジュールを休むことが認められています。

そんなの甘すぎる!!

と思った方、少年院には初等・中等・医療変わらず措置段階があります。
会社でいうところの昇格のようなもので、普段の行いが良いもの、スケジュールを問題なくこなせたものはトントン拍子で段階を上がり、出院までの期間が短くなったり、逆に1年間送致となっていても入院期間が伸びたりします。

また初等・中等少年院は最大23歳まで入院させることができますが、医療少年院は26歳までとなっており、少年院送致が決まった際に同時に決められる入院期間はあくまでも最短であり、入院中の行いによってはいくらでも伸びる可能性があるのです。

そんな医療少年院ですが、私が日本の刑務所・少年院で足りないと感じたことを唯一している場所でもあります。

それが「話すこと」です。

医療少年院では担当の刑務官ととにかく、話します。
交換日記に始まり、面談・朝と夜の薬の時間での会話・そして何よりも驚いたのは「ある程度」刑務官のプライベートを話すのです。

特に刑務所はそうですが、刑務官は自分のプライベートを話しません。
それは受刑者(少年)が出所後に、入院中の恨みを晴らすために報復してくる可能性があったり、刑務官と受刑者(少年)との線引きをきちんとしなければいけなかったりと、あくまでも犯罪者と接する仕事だからです。

ところが医療少年院では刑務官と少年たちの距離が近く、コミニュケーションをとても盛んに取っています。
それは様々な理由で精神疾患を抱える少年たちにとって、支えになったり親を越えた理解者になったり、励みになったりと良い効果をもたらしていると感じました。

思春期に親とぶつかったり、夜な夜な遊び歩いてみたり、反抗したり、物に当たったりすることは誰にでもあることです。
その気持ちや成長と上手く付き合っていければいいですが、誰もがそうとは限りません。

世の中には「少年だから許されるってことはない。大人と同等に罪を償うべき」と言われるほどの犯罪を犯した少年たちもたくさんいます。
それは否定しませんし、必ずしも全員が更生できるとも思っていません。

私は基本的に「やってしまったことよりも、これからのことを」という考え方ですが、そう思えない事件もあります。
自分勝手で、無慈悲で、居た堪れないほど辛い思いをした被害者を知ると、人として許せなく思うこともたくさんあります。

 

でも、どうせなら、1人でも多くの少年が心から救われて誰も傷付けずに、また自分を傷付けることもなく過ごせたら、それはイコール犯罪を犯すものがいなくなることへ繋がるのではないでしょうか。

日本の更生教育そのものを変えることができなかったとしても、親子で会話する時間を増やすことはできます。

1人の人間として、どうか話してみてください。
知っているつもりで知らないことが、きっとたくさんあります。
子どもは思ってる以上に多くのことを感じ取り、その感情を整理するのに物凄く時間がかかります。

そのとき何を思うかは、年齢関係なくそれぞれの価値観です。
相手にそんな気はなくても、受け取る方が傷付いたのなら傷付けたことになります。
それは、親子は関係ないのです。親が子を、思わぬ言葉や行動で傷付けることもたくさんあるのです。

 

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誰かを責める前に、まず自分をかえりみよう。
そしてその後、お互いに腹を割って話そう。泣きながら、怒鳴り合いながら、感情をむき出しにして全てをさらけ出して話そう。

それが何よりも大切な、コミュニケーションだから。
人とのつながりが、全てを解決するから。