人生の曲がり角

新宿生まれ新宿育ち、ノリで沖縄移住。フリーライター。

私はライター兼、八百屋の事務員

私はライターを休んでいる間、八百屋の事務員として働いていたのですが、実は今も現在進行形で八百屋の事務員です。

 

店舗出勤はなくなったものの、業務委託という形で事務仕事を任されています。

 

ほぼ毎日仕事をしているけど、お給料は1ヵ月で3万円。

 

え~~~~~( ゚Д゚)

 

正直見合わないし、今すぐ辞めてライターの仕事を増やした方が効率はいい。

でも、大切なのはお金じゃないんですよ。

 

■切磋琢磨し合える相手は、一生のタカラモノ。

 

八百屋の社長は私と同い年の26歳です。

 

世界中を放浪しているときにアメリカのインディアンに出会い、彼らが置かれている状況を目にし、食の大切さを知ったそうな。

 

それから沖縄に移住して農家になり、農家の大変さを感じ、だったら俺がこんなに良い野菜があるんだぞって日本中に広めよう!ということで卸の仕事を始めました。

 

縁あって知り合いの紹介で彼に出会ったわけですが、彼に会う前日に祖母が余命半年だと告げられました。

 

断って祖母のところに行くべきか、はたまたこれは何かの使命なのか。

 

思い悩みましたが、彼の仕事を手伝うことにしました。

 

同い年でいくつもの取引先と忙しそうに連絡を取り合う彼の姿は、ライターになりたての私に勇気と希望をくれました。

 

私がフリーのライターであること、また祖母の様子も人一倍気にしてくれて、いつでも私を尊重してくれました。

どこか抜けてて頼りないんだけど、同い年とは思えない器の広さや余裕には感服です。

 

この人となら、戦っていける。

この人のためなら、戦える。

 

そう思えた相手でした。

 

■本当はここでさよならするつもりだった。でもお前は俺よりも信じてくれた。

 

私がライターを休んでいる頃は、卸の仕事+店舗での営業も行っていました。

私は裏で事務仕事をしながらお客さんの接客もしていて、朝から晩まで野菜のことで忙しい毎日でした。

 

ところが数ヵ月経ったときに八百屋が入っている建物とトラブルがあり、店舗は撤退することになりました。

八百屋の収入は卸だけになるので、もちろん減ります。

 

社長は、私をこのまま雇い続けるか悩んだと言っていました。

 

でも「お前は俺よりも、八百屋が絶対に上手くいくといつも信じてくれた。多くは渡せないけど、でもこれからも一緒に仕事がしたい。」と言ってくれました。

 

「オーケー!もちろん!よろしくね!」

とフランクに答えましたが、めちゃめちゃ嬉しかったです。

 

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ただ、本当は喜んでいられるような状況ではありませんでした。

祖母が治療はせずに痛みだけを取り除き、死を待つ緩和ケアへ入院したのです。

 

■すべてが運命だった。そう感じずにはいられなかった。

 

 

祖母が余命半年であることを知りながら、私は八百屋の仕事を選びました。

「今やるべきは祖母の元にいることではなく、彼の仕事を手伝うこと」そんな風に言われている気がしたのです。

 

悔しくも閉店に追い込まれた、お店。

最後まで戦っても、どうにもすることができなかったお店。

 

不満を抱えつつも業務委託という形で再出発した私は、ライターに復帰しました。

 

そしてその1ヵ月後に、祖母が緩和ケアへ入ったのです。

 

全ての歯車がカチッと合わさったような、そんな不思議な感覚になりました。

 

■自分が苦しいときこそ、人を助けることに意味がある。

 

祖母が入退院を繰り返すようになったとき、私は沖縄に移住し、そしてライターになりました。

 

余命半年だと告げられたときには、八百屋の手伝いを始め、そしてライターを休みました。

 

悔しさの中で再出発したとき、祖母の命は消えかけていました。

 

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この1年間、本当に苦しかったです。

新しいことばかりを始めて手探りで前へ進んでいたのに、次々に問題が起こる。

しかもその問題は私に解決できるものではなく、心配や不安ばかりが募るもの。

 

「あ」に濁点をつけた声を出し、何度も何度も叫びました。

 

でも自分が苦しいときにこそ、人に手を差し伸べることで楽になれることを覚えたのです。

 

私も大変なのに!と思いつつも、できることはやるから投げてこい!と偉そうに言う。

実際にお願いされたら、すべて片づける。

 

「ありがとう、助かったよ」という言葉にはどんな魔法よりも効果があることを知りました。

 

■一緒に泣いて、一緒に笑う。他人の成功を願えない人は、余計に苦しくなるだけ。

 

さっきも話しましたが、正直八百屋のお給料は見合っていません。

倍もらっても考えますと言いたくなるくらいには、見合っていません。

 

でも、お金じゃないんです。

 

彼の夢を応援しているし、絶対に成功してほしい。

そのために私にできることは事務仕事くらいだから、それしかできないけど手伝わせてもらうね。

 

という気持ちの奉仕に、金額は関係ありません。

 

友達には「は?有り得ないんだけど!」と何度も言われましたが、世の中、お金じゃないことっていっぱいあるんですよ。

 

誰かが泣いていたら手を差し伸べるし、誰かが笑っていたら一緒になって喜ぶ。

そういうものを共有する幸せを忘れたら、虚しさと紙切れだけしか残りません。

 

恩を売っておけば、後々…なんて悪いことを考えてしまう私も居なくはないんですけど。笑